アプリ開発費0円の「ミセテカラ」を始めました発注の順番を入れ替えた理由
完成したアプリを先にお見せして、気に入った場合だけ月額でお使いいただくサービス「ミセテカラ」を始めました。きっかけになった出来事、世界が成果連動へ動いている流れ、そして多くの開発会社がこの順番をやらない理由をまとめました。

E-team AI は、アプリの開発費を0円にするサービス「ミセテカラ」を始めました。打ち合わせを1回させていただき、そこから2週間で完成品をお見せします。気に入っていただけた場合だけ、月額でお使いいただきます。気に入らなければ、費用は一切かかりません。
提案書も、見積書も、要件定義書も出しません。実物を先に出します。この記事では、なぜこの順番にしたのかを書きます。

きっかけは、頼まれてもいないのに作ってしまったことでした
あるクライアントのご相談をうかがっていたときのことです。通販サイトとホームページが別々のサービスで動いていて、更新のたびに両方を触らなければならない。新商品を1つ出すにも、ブログを1本書くにも、手間が二重になる。よくある話です。
本来なら、ここで提案書を書きます。しかしそのときは、提案書を書く時間で動くものを作ってしまったほうが早いと思いました。ホームページ側にカートと売上ランキングを組み込み、商品の登録もブログの更新も1つの管理画面で完結する形にして、完成した状態でお見せしました。
説明はほとんど要りませんでした。管理画面を開いて、商品を1つ登録してみせただけで伝わりました。
提案書なら「運用工数を削減できます」と書くところです。その一文では動かなかった話が、画面を一度触っていただいただけで決まりました。文章で1時間かけて説明することを、実物は30秒で伝えてしまう。これが分かったのが、いちばん大きな収穫でした。
開発費はいただかず、使い始めてから月額をいただく形にしました。通販は売れた数が数えられるので、成果に連動させることもできます。
同じやり方を他でも試したところ、反応は同じでした。喜んでいただけた回数が一定を超えたので、サービスとして形にしました。それがミセテカラです。
やったことは、発注の順番を入れ替えただけです
一般的なシステム開発では、実物が出てくるのはかなり後ろです。社内で要望を整理し、発注先を探し、ヒアリングを受け、提案と見積もりをもらい、比較し、稟議を通し、契約し、要件定義をし、設計をして——ようやく開発が始まります。
数えてみると、実物を見られるのは13番目くらいの工程でした。それまでのすべての判断を、文章と口約束だけで下していることになります。
| これまでの発注 | ミセテカラ |
|---|---|---|
工程の数 | 15工程 | 4工程 |
実物を見るまで | 13工程目 | 2工程目 |
着手にかかる費用 | 数百万円 | 0円 |
順番が後ろだと、何が起きるのか
日経クロステックが1745件のシステム導入・刷新プロジェクトを分析した調査では、成功が52.8%、失敗が47.2%でした。約半分がうまくいっていません。
そして、満足を得られなかった理由の筆頭は「要件定義が不十分」。スケジュールを守れなかったプロジェクトが最も苦労した工程も、要件定義でした。3年を超える大規模プロジェクトに至っては、成功率は16%です。
これは誰かの怠慢ではないと考えています。要件定義とは「まだ存在しないものを、文章だけで合意する」作業です。難しくて当たり前です。
実物が先にあれば、その議論の大半は必要なくなります。「ここは違う」「これは要らない」は、画面を見ればその場で言えます。
世界は「成果に払う」方向へ動いています
この順番は思いつきではなく、世界の課金の流れとつながっています。
分かりやすいのがAIエージェントの領域です。Intercom の「Fin」は、問い合わせが1件解決するごとに0.99ドル、という課金です。席数でも時間でもなく、解決した件数に値段がついています。Salesforce も自社の Agentforce で、解決1件あたりの課金を打ち出しました。
この流れがどれだけ本気かは、金額に出ています。Salesforce は2026年6月、この Fin を約36億ドルで買収することに合意しました。
受託開発も無縁ではありません。AIによって、5人で10人分の仕事が出せるようになりつつあります。そうなると「10人分の体制」に対して払う根拠が薄くなります。人月、つまりかけた時間に払うモデルの前提が崩れかけているということです。実際、新規の技術系契約に成果連動の条項を入れる動きは、世界的に増えていると報告されています。
ミセテカラの成果報酬プラン(月7万円+アプリ経由売上の5%・税別)は、この流れを受託開発に持ち込んだものです。
それでも、多くの開発会社はこの順番をやりません
理由ははっきりしています。開発している間、報酬がゼロだからです。
その間もエンジニアの人件費は毎月出ていきます。従来のやり方だと、この持ち出しが数ヶ月から1年以上続きます。そのうえ気に入っていただけなければ、かけた費用はまるごと自社負担です。資金の体力がなければ、現実的に選べません。
もうひとつは、成果の定義で揉めることです。システムの成果は開発以外の要因にも左右されるため、「これは成果に入るのか」という議論になりやすい。
つまりこれは、多くの会社がやりたくない順番なのです。だからこそ、やる価値があると考えました。
E-team がこの順番でやれる理由
ひとつは速度です。AIで開発のやり方が変わり、持ち出しの期間が「数ヶ月から1年」ではなく2週間になりました。2週間なら、うちの体力でも引き受けられます。
もうひとつは、料金プランを分けたことです。売上が数えられるもの(チケット販売、通販、予約、申込など)だけを成果報酬にし、社内で使う業務アプリのように売上が立たないものは月額にしました。成果の定義で揉めない組み合わせにしてあります。
料金
開発費はいただきません。完成品を気に入っていただけた場合だけ、次の3つからお選びいただきます。金額は税別です。
プラン | 料金 | 向いているもの |
|---|---|---|
成果報酬プラン | 月7万円+アプリ経由売上の5% | 売上が数えられるもの(チケット販売・通販・予約・申込) |
月額プラン | 月10万円〜 | 社内の業務アプリ、ホームページ、CMS構築など |
作り放題プラン | 月30万円 | 複数のシステム、マーケティング整備、効果測定の仕組みなど |
解約はいつでもできます。違約金も、残額の請求もありません
事例として社名・画面を公開させていただける場合は、月額を15%割り引きます
24か月お使いいただくと、アプリの著作権はお客様に移ります
完成品を無料でお作りするため、お受けできるのは月に4社までです
正直に書いておきたいこと
いいことばかりではありません。先にお伝えしておきます。
作るものは、2週間で作り切れる規模に収まります。基幹システムの全面刷新のような案件には向きません
打ち合わせでうかがった内容をもとに、こちらの判断で作ります。細かい仕様をすべて指定したい場合は、通常の受託開発のほうが向いています
お見せした完成品が気に入らなかった場合、その成果物は当社に帰属します。お客様に費用は発生しません
サーバー代・ドメイン代はお客様のご契約・ご負担です
まずは、実物を見てください
要件定義書を書く必要はありません。ご用意いただくのは、打ち合わせ1回のお時間だけです。そこでうかがった課題をもとに、2週間後に完成品をお持ちします。
費用が発生するのは、それを気に入っていただいてからです。
参考
著者情報
中森秀彬(morimori.ai) 株式会社E-team 共同創業者・AI開発責任者。AIO・GEOレポート自動作成ツール「AI SearchScope」他、IntraCanvas、Veloraxa、アサヨミ などAIマーケティングツールの開発者。法人向けAIマーケティング支援・AIマーケティング研修・AI×Web制作を手がける。年間100回以上の講師登壇。 X: @morimori_ai_dev