株式会社毎日広告社 様 / AI Marketing Pro
“AIを使う”から、
“仕事の質が変わる”へ。
総合広告代理店が全社的にAI研修を導入。5部門11名が、提案・企画・分析の質を高めていった3か月の記録。

研修で最も大きく変わったのは、業務にかける“時間”ではなく、アウトプットの“質”でした。数字は、質に向き合う時間が生まれたことの裏づけです。
※ あわせて、対象業務で月あたり約74時間の時間削減も確認されています(再計測10名ベース)。
Background
なぜ、全社でAI研修に踏み切ったのか
導入を提言した責任者と、研修を推進した担当者。二つの視点で振り返る。
競合他社の経営層と話す中で「うちは集計を全部AIでやった」「実務で毎日使っている」といった声を聞くたびに、焦りは大きくなっていた。先行する社員の取り組みを全社に広げる道筋が見えていない——それが、外部研修の検討に踏み切った最大の理由だった。

山内様
株式会社毎日広告社 / 導入責任者
研修担当の立場から全社AI導入を提言。選抜メンバー11名による第2弾研修を推進した。
—— 外部研修を検討する中で、苦労されたことは?
いくつかの会社にお話を伺いました。多くは汎用的なツールのノウハウや作業効率化が中心で、「広告会社にとって必要なAI活用とは何か」——そこまで踏み込んでカスタマイズしてくれる会社が見当たらなかったんです。
大手広告会社が社外向けに開催しているセミナーも検討しましたが、複数社が集まる形式で、自社に合わせた内容にはできなかった。「カスタマイズもできますよ」とは言われたものの、まだそこまで練れていない印象で、見送りました。
—— 選抜制の研修にした狙いは?
年初に全社向けの汎用研修は一度やっていました。次の段階として、進んでいる人たちをもっと伸ばし、その人たちが核となって周囲に広げていく——そういう選抜制の第2弾として位置づけました。自分から手を挙げた人、周りに広げる任務があると理解している人で構成しました。
—— 対面形式にこだわった理由は?
目と目を合わせて、その場で周りを見ながら教えてもらいながらやると、身につく度合いが全然違いますね。対面にしたこともポイントでした。
加えて、厚生労働省のリスキリング推進助成金を活用できたことも大きかった。eラーニング型はコンテンツが固定されカスタマイズ不可だが、対面型なら自社に合わせた内容で申請が通る。助成金の活用は今回の決め手のひとつになった。
—— 発表会で印象に残ったことは?
最初は理解度にばらつきがありました。でも最終的には、全員があそこまで実務に活用できていた。それは本当に驚きでしたし、感心しました。
正直、ちょっと心配していた部署もあったんです。泥臭い営業をやるタイプの部署で、チームでワイワイとやっている部署ではない。でもその担当者が、自分の日報や業務にどう活かすかを真剣に考えていて、発表前に「これで合っていますか?」と相談にまで来た。その本気度が見えて嬉しかったですね。
—— 社内への波及はどうですか?
思ったより浸透しています。仕事の兼ね合いで参加を諦めた社員もいたのですが、そういう人たちが発表会のアーカイブを観てくれていて。「あのクライアントであんな感じで使えたんだな」と、自分のクライアントに引き寄せて考え始めているのが見えました。
私も毎週、幹部陣にメールで「今回はこういうことをやって、こういうことができるようになりました」と報告していたので、みんな忘れずにいてくれていると思います。
特に、営業副本部長には、営業全体に浸透させることを考えてもらっています。幹部会での報告も予定しているので、そこでさらに広げていければと思います。
—— 他社の経営層や推進責任者へのアドバイスは?
投資としては、日々の業務で活用できるようになりましたし、今後AIを活用していく上での基本認識と、「自分で考えられる下地」が少なくともあの11人にはできた。これは大きな価値だと思っています。
他社さんへのアドバイスとしては——導入が進まないと言っている経営層自身が、日々AIを使っていないことが多いんじゃないかと。うちのトップは毎日使っていて、いろんなツールを試すタイプなんです。「これは嘘ばかりつかれた」「ニュースがちょっとおかしいよね」と自分で使った感想を周囲に話してくれる。その姿勢があったから「じゃあ提案すれば進むかな」と思えた。まず経営層自身が自分で使い、社内で話をすること。シンプルですが、それが一番大事だと思います。
“11人に、これからAIを活用していく上での基本認識と、
自分で考えられる下地ができた。これは大きな価値だと思っています。”
木村様
株式会社毎日広告社 / 研修推進担当
受講者と講師の橋渡し役として、研修の企画・運営と社内浸透を担当した。

—— 研修パートナー選びで重視したことは?
いろんな会社さんが「研修できますよ」とおっしゃるんですが、既定路線だったり、細かくカスタマイズができなかったり。講師の方がAIのスキルはすごいんだろうけど、広告業やコミュニケーション領域にあまり詳しくなくて、実際の業務との乖離を感じることが多かったんです。
E-teamさんの場合は、講師を務めてくださる方も、会社を仕切っていらっしゃる方も、広告業界や周辺業務にすごく近いところにいらっしゃった。特に講師の方が実務を本当によくご存知だということで、巡り合えて良かったなと思っています。
—— 運営側として一番意識したことは?
受講者はみんな通常業務を抱えながら参加しています。「準備ができていないと参加しづらい」という心理的ハードルをできるだけ作らないように意識していました。必要な資料やフォルダを事前に用意して、リンクを送って、「とりあえず参加すれば大丈夫」と感じてもらえる環境づくりですね。名札を作ったりもしました。
事務局側として予想外だったのが、運営負荷が想定よりずっと小さかったことです。講師の方が当社の業務をよく理解されているので、「このテーマの時はこういう業務内容があります」と毎回説明しなくても進むんですよね。講師と事務局の事前調整がほとんどいらなかった。これは本当にありがたかったです。
—— 受講者の姿勢に変化はありましたか?
最初は「研修を受けた以上は業務に反映しなきゃいけない」と構えてしまっている部分がありました。でも対面で隣同士で進めながら回を重ねていくと、「正解を最短で出す」よりも「ちょっと試してみよう、隣の人もできていないし」という感じで、リラックスして自分で試してみたいという姿勢に変わっていった。そこがすごく良かったです。
途中でビジネスフレームワーク(3C分析など)の話もあったんですが、そこはAIに関係なく自分の業務に役立つところなので、耳を傾けやすかった。AIに苦手意識がある人でも、業務への関心からすっと演習に入れていたのが印象的でした。
特に営業副本部長の変化は印象に残っています。社内では部下から慕われている距離感の近い人物なんですが、彼が発表すると聞きやすいし、「Iさんがそこまで使っていると思わなかった」という声も出ていて。今は営業全体への浸透を期待しています。
—— 社内への浸透は進んでいますか?
ちゃんと社内に浸透しているのかが一番心配だったんですが、仕事の兼ね合いで泣く泣く参加を諦めた社員がちゃんとアーカイブを観てくれていて、感想を言ってくれたりしています。
—— これから研修導入を推進される他社の方へのアドバイスは?
導入を検討される方が一番立ち止まってしまうところだと思うんです。AIの技術に詳しいエンジニア出身の方がたくさんいて、きらびやかな経歴に迷ってしまうこともある。でも大事なのは、「自分の会社の実際の業務でどう使っていくのか」を一緒に考えてくれる講師やパートナーを選ぶことだと思います。
あとは助成金を使う場合、申請に適合する研修プログラムのカスタマイズや申請プロセスの助言など、伴走してサポートしてくださったのがすごく大きかったです。推進担当者としては、そういう伴走をしてくれるパートナー選びをお勧めします。
Voices
速くなった、その先で何が変わったか
受講者が口を揃えて語ったのは、“速くなった”ことよりも、“仕事の中身が変わった”ことでした。

M様
メディアソリューションセンター
“作業に費やしていた時間を“思考”に回せるようになりました。専門外だったクリエイティブにも自分で手が届くようになり、仕事の幅と視野が大きく広がっています。”
- 課題
- 提案書の土台づくりや広告レポート作成といった手作業に追われていた。
- 活用方法
- ChatGPTで提案書の構成・骨子を作り、Claudeで資料の土台まで一気に。レポート整形はプロンプトを保存して反復。
S様
メディアソリューションセンター
“長引きがちだった社内打ち合わせが減っただけでなく、打ち合わせそのものの“質”が上がりました。事前の準備にAIを使うことで、議論の中身が濃くなったんです。”
- 課題
- プランニングから提案書作成まで、提案準備に時間がかかっていた。
- 活用方法
- Claudeで社内打ち合わせ用の事前資料や補足情報を作成。
Y様
営業本部
“単純に速くなったというより、“価値を生み出す工程”に集中できるようになりました。たたき台づくりに追われず、提案の中身を練る時間が持てるようになっています。”
- 課題
- 提案書のたたき台作成に2〜3日かかっていた。
- 活用方法
- ChatGPTで前段情報や出典を調べ、GenSpark・Claudeでスライドの流れを整理。

左から E-team 中森秀彬、毎日広告社 山内様、木村様
提言者と推進者、そして受講者。三者に共通していたのは、
“自社の実際の業務でどう使うかを、一緒に考えてくれるパートナーを選ぶこと”の大切さでした。
導入が進まないと言う経営層自身が、日々AIを使っていないことが多い。まず経営層が自分で使い、社内で話をすること。シンプルですが、それが一番大事だと思います。